【鼻汁好酸球検査】この鼻水って風邪?それともアレルギー?鼻水でわかる簡単、痛くないアレルギー検査とは
この鼻水って風邪?それともアレルギー?
透明な鼻水が出た時「この鼻水は風邪なのかな?」それとも「なにかの花粉やダニのアレルギーかな?」と思うことはありませんか?
2,3月頃に鼻水がでてくると、「ついに私も花粉症かなぁ。」と思うこともあると思います。
特に小さなお子さんはよく鼻水がでるので、保護者の方がこれって花粉症?鼻風邪?と悩むことがあります。
小さなお子さんは鼻の診察が嫌いでじっとできないことが多く、また鼻水の色や鼻腔の粘膜の状態のみで、花粉症か鼻風邪かを見分けるのは至難の業です。
年齢が上がると、鼻がムズムズする、目がかゆい、喉が痛いなどの細かな症状を伝えられるようになり診察の一助になりますが、小さなころは自分の症状を説明できません。
「保育園に通っているししかたないかぁと思って、いつも鼻水が出た状態でいたら実はアレルギー性鼻炎があり薬を飲み始めたら急に鼻水が出なくなった」ということもあれば、「アレルギー性鼻炎だと思って毎日鼻炎の薬を飲んでいたら、実はアレルギーの反応はなかった」ということもあります。
また、ご高齢になると水のように垂れてくる鼻水がでることがあります。
「寒い台所や洗面所にいくと必ずツーっと鼻水が垂れてくる」、「熱いラーメンやおそばを食べると鼻水が止まらない」などの症状があれば血管運動性鼻炎の可能性があります。しかし、その際も鼻の所見のみではアレルギー性鼻炎か血管運動性鼻炎か見分けることは難しいです。
アレルギー性鼻炎を疑ったときに、簡便に検査する方法として鼻汁好酸球検査があります。
鼻水の中にアレルギー性鼻炎の際に上昇する鼻汁好酸球が含まれているか調べる検査で、鼻水に特殊な処理をして染色し顕微鏡で好酸球の数を計測します。
好酸球の数によって(ー)から(3+)と判定します。下の図の矢印で示されている細胞が好酸球で(他にも数多く見られます)この標本だと(3+)に分類されます。
鼻水がある程度出ている状態であれば、それを綿棒で拭うだけなので、痛みを伴わない検査です。結果は1週間程度で分かります。
アレルギー性鼻炎の際は約90%が鼻汁好酸球陽性となり、ウイルス疾患などの非アレルギーでは陽性が1~2%と少ないことから、アレルギーによる鼻水かどうか調べるために良い指標となります。
(外部リンク:鼻汁好酸球検査の臨床的意義)
鼻汁好酸球が陽性となった場合、その鼻水がアレルギーの反応ででたものだ、ということは分かりますが、何のアレルギーがあるかまでは分かりません。
2~4月の検査であればスギかヒノキの可能性が高く、年中鼻水が出ている方であればダニの可能性が高いだろう、と時期やエピソードで抗原を推定することになります。
何のアレルギーがあるか調べる場合は、血液を採って調べることが出来ます。
最近はアレルギー性鼻炎の低年齢化が指摘されており、2歳頃から発症する子がいます。
一般的な採血が難しい子は、指先に針を刺して行う方法もあるので年齢問わず検査することができます。
(外部リンク:イミュノキャップラピッド)
アレルギーを治すことは難しく基本的には抗原の回避と症状を抑えるための薬を服用することになりますが、アレルギーの原因がダニやスギであれば舌下免疫療法といって根本的にダニアレルギー、スギ花粉症を治す方法があるので、一度ご検討してみてはいかがでしょうか?