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【のどの痛み】のどの痛みに漢方うがいを試してみませんか?【咽頭痛】【口内炎にも】

[2024.12.29]

冬になると乾燥するからか、喉が痛くなることが増えませんか?

「冬の間はなんだかずっと喉の調子が悪くて・・・」

「体調崩すと、すぐに喉が痛くなるんです」

なんていうご相談をうけることがよくあります。

 

今回は漢方の中でも比較的喉に効きやすいお薬を、さらにうがいしながら服用する方法についてご紹介していこうと思います。

 

目次

1, 漢方をうがいしながら飲む

2, 桔梗湯

3, 小柴胡湯加桔梗石膏

4, 麻黄附子細辛湯

 

 

1, 漢方をうがいしながら飲む

先日私自身喉が痛くなった時に、試しに桔梗湯でうがいしてその効果を実感しました。

うがいして効果のでる薬は、直接喉の粘膜にあたることで効果を発揮する生薬が入っているもので、今回ご紹介する薬の中では、桔梗(ききょう)、細辛(さいしん)という生薬がそれにあたります。

喉のウイルスなどを洗い流す目的のうがいではなく、薬を患部に当てることが目的なので少量の水に溶かすのがお薦めです。

私が患者さんに伝える時は「おちょこのような容器に入れて、水かぬるま湯で溶かしてください」と説明しています。

余談ですが、我が家ではおちょこはもっぱら薬を溶かすために使用しており、子供用の粉薬もいつもおちょこにいれて溶かしていました。

 

2, 桔梗湯(キキョウトウ)

 

 

桔梗湯は「熱はないけれど喉が痛い」方にお勧めの漢方です。

桔梗湯の良いところは何といっても「甘くて美味しい」ことです。

入っている生薬は「桔梗」と「甘草」の2つで、甘草が甘いのでとても飲みやすいです。

そして漢方は入っている生薬が少ないほど即効性があるとされており、桔梗湯は構成生薬が2種類のため効き目が早い薬です。

「桔梗」は排膿作用や喉の炎症を抑える作用があり、直接咽に触れることによる効能もあるようです。

 

薬が苦かったりすると中々続けられないですが、桔梗湯はチャレンジしやすいお薬だと思います。

喉が痛いときに西洋のお薬だとトラネキサム酸をよく処方するのですが、トラネキサム酸と一緒に飲んだり、トラネキサム酸が合わない方に桔梗湯を勧めることが多いです。

 

3, 小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)

 

 

小柴胡湯加桔梗石膏は「熱があって、喉がとても痛い」方にお勧めの漢方です。

石膏は熱を冷ます生薬なので、喉が焼けるように赤く腫れている方に向いています。

 

小柴胡湯加桔梗石膏は新型コロナウイルス感染の激しい喉の痛みにも有効と言われております。

東北大学の研究で、コロナ感染の急性期に「葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏」を服用することで発熱症状が早期に緩和され、呼吸不全への重症化を抑制したとの報告があります。

 

構成生薬は9種類で桔梗湯と同量の桔梗と甘草も入っています。

小柴胡湯加桔梗石膏はその名の通り、「小柴胡湯」という漢方に「桔梗」と「石膏」という生薬が加えられている漢方です。

小柴胡湯は風邪に使われますが、風邪の初期ではなく風邪が数日経過し痰が少し黄色くなり、咳や胃の不調がでてきたころに使用するとよいとされています。その小柴胡湯に、咽の炎症をとる桔梗と熱を冷ます石膏が入った薬が小柴胡湯加桔梗石膏です。

 

頻繁に扁桃炎に罹患する方に対して、扁桃摘出術を受けるための待機期間にこの漢方を処方されることがありますが、小柴胡湯加桔梗石膏が著効して扁桃炎に罹患しなくなり手術を免れる例もあります。

味は、桔梗・甘草が入っているためか比較的飲みやすく桔梗湯ほどではないですが、うがいもしやすい薬かと思います。

 

4, 麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)

 

 

麻黄附子細辛湯は「チクッとした喉の痛み」の方にお勧めの漢方です。

麻黄附子細辛湯は名前にある通り、麻黄・附子・細辛という3つの生薬で構成されており、どれも体を温める生薬ですので冷え性の方によく効く漢方になります。

生薬も3つと少なく手先足先に強い冷えを認める場合に飲むと即効性のある薬です。

体を温める薬なので、粉のまま飲むよりもお湯に溶いて使用した方が効果が強いです。

 

麻黄・附子・細辛のうち細辛の味はピリピリしており、うがいしながら直接患部に当てると口の中は麻酔がかかったようなしびれた状態になります。

味は比較的薄いですが、すごく飲みやすいわけでもなく飲みづらいわけでもなく、薬草風呂のような匂いもあり、なんとかうがいができるかなと思う味です。

 

 

番外編:口内炎に効果的な半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)

 

 

のどの痛みとは少し違いますが、口内炎には半夏瀉心湯が効果的です。

半夏瀉心湯も水に溶かして「グジュグジュうがい」をすると効果的です。

 

この半夏瀉心湯には黄連(おうれん)、黄ゴン(おうごん)という熱をとる生薬が入っています。これが粘膜の修復を促しますがとにかく「苦い」です。

いかにも「良薬は口に苦し」という、そして味も匂いも濃い薬なので苦手な方もいるかもしれません。

口内炎の治療薬というと塗り薬やビタミン剤というイメージがありますが、時々塗り薬が塗れないような喉の奥に口内炎が出来てしまい、痛み止めを飲んで自然治癒するのを待つしかないといった状況になることがあるので、そういったときに使用する薬かも知れません。

 

コラムをご覧になってもし処方をご希望であれば医師にご相談下さい。

冬は乾燥して喉が痛む方が増えるので少しでもご参考になれば幸いです。

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