おじいちゃん!テレビの音が大きいよ!【難聴が少しずつ進んできた方へ】

年齢とともに聞こえが悪くなっていくことは皆さんご存知だと思います
一般的にある程度聞こえづらくなったら補聴器の使用がお勧めですが、外来をしていると患者さんやご家族から以下のような訴えをお聞きすることがあります。
「補聴器をつけるほどではないのだけれど、最近テレビの声が聞き取りづらくて字幕を読んでいます。」
「NHKのアナウンサーの声はよく聞こえるのだけど、民放のドラマがなんといっているかわからなくて楽しめないです。」
「母は認知症があって補聴器は難しいのですが、とにかくテレビの音がうるさくてご近所迷惑になってしまって・・・」
「久しぶりに父のところへいったら大きな音でテレビを聞いていてとても驚いた。」
このように日常の会話は、ほぼ家族のみなので大きな声を出せばよいのですが、テレビや音楽の音量が大きくて困っている方が結構いらっしゃいます。
それで今回のコラムでは「補聴器を使用する以外で、主にテレビの音を聞こえるようにする方法」について書いていきたいと思います。
補聴器であれば補聴器技能士がいる専門店で、聴力に合わせて補聴器を設定し、使用状況に合わせて調整してくれるお店で購入することが望ましいです。
ただほとんどの補聴器は1台10万円以上の高価格でもあるため、すぐに「よし買おう!」とはならないと思います。(加齢性の難聴はなかなか治ることはないので、本来は早めに補聴器に慣れていくのが良いです。)
そんな方にお勧めなのが、テレビのスピーカーを自分の近くに持ってくるような家電です。
私も現在(2025年5月)どのような家電があるのかわからなかったので、近隣の大手家電売り場へ行って話を聞いてきたのでコラムにしてみました。(以下の製品はカタログや店員さんの説明をもとにしています。情報に偏りがある可能性がありますのでご自身で購入する際はいろいろな製品をご検討ください。)
スピーカーコーナーは3階にありました。見渡す限り様々なイヤホンなどが売られております。自分で目的のものを探すことが出来ず、店員さんに色々説明して頂きました。
持ち運びスピーカー
SONY SRS-LSR200
家の中で持ち運べるスピーカーで、難しい設定の必要はなく、テレビとスピーカーの充電器を繋げばすぐに使うことができます。
充電器とスピーカーは30mまで離れても大丈夫なので、基本的には家の中のどこに持ち運んでも音が届きます。
スピーカーの上はリモコンのようになっており、音の大きさやチャンネルを変えることができます。
音声のスピーカーとそれ以外の音のスピーカーが分かれているため、より声が聞き取りやすくなっています。
テレビと充電器を光ケーブルで繋げばテレビ自身からも音がでるため、家族と一緒にテレビを楽しむこともでき、自分のスピーカーだけ音を大きくすることもできます。
ちなみに光ケーブルの端末は最近のテレビには大体ついているようです。
お手持ちのテレビにどんな端末がついているか分からない場合は、テレビの型番を控えてくれば店員さんが教えてくれるとのことでした。
Audio-technica AT-SP767XTV
SONYのものと同様に持ち運びできるスピーカーです。
防水性なので、お風呂でも使えるのが便利ですね。
首にかけるスピーカー
Audio-technica AT-NSP700TV
SONY SRS-NB10
首からかけるタイプのスピーカーなので、家の中で移動してもスピーカーを持ち運ばずにすみます。
耳に近いところにスピーカーがくるので、周囲の雑音の影響を受けづらいです。
ただ、毎回ブルートゥースの切り替えが必要になるので、慣れていない方には難しい可能性があります。また、横になることが多い方は首にスピーカーがあるとずれて使いづらいこともあるようです。
テレビの近くに置くスピーカー
以下は持ち運びではなく、テレビの近くに置くスピーカーですが、加齢性のテレビの音が聞きづらくなった方に向けたスピーカーです。
ミライスピーカー
特殊技術により言葉がよりクリアに聞こえるようになったスピーカーです。
ドラマなどでBGMや効果音の影響でセリフが聞こえづらい方などによいようです。
「補聴器をするほどではないんだけど、でもやっぱり耳は聞こえづらくなってきたわ。」
という方は、まずワンステップとして上記のようなデバイスを検討してみてはいかがでしょう。
また、ご高齢の方へのプレゼントとして贈るのもよさそうです。
母の日や父の日のプレゼントとして、設定、やり方の説明までやってあげられたら安心ですね。
難聴は認知症やうつ病の発症リスクが高まりますし、素敵な音楽や映画などを聞くことで人生も豊かになると思うので、最高のプレゼントになると思います。