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【外耳道異物】大変!耳に虫が入った!【応急処置を知ってますか?】

[2022.12.27]

耳鼻科の診察ではよく耳垢をとることがあります。

私たち耳鼻科医は耳垢をとることは日常茶飯事なので、そこまで多いと思わない量の耳垢でも、ご本人やご家族に見せると「わー!こんなに耳に入っていたのか!」と驚かれることがあります。

 

今回は、そんな中でも耳から出てきて耳鼻科医の私でもびっくりして写真を撮らせて頂いたものについて紹介します。

※ご紹介した異物の掲載は患者様の許可を得ています。

 

 

 

巨大な耳垢

「耳には自浄作用があり耳垢は採らなくても自然に出てくるものだから頻回な耳掃除は必要ない」というのが近年のスタンダードとなっていますが、それでも耳垢が溜まってしまうことがあります。

さらに元々耳垢がたまりやすい性質の方や耳の穴(外耳道)が狭い方などは耳垢で耳の穴が詰まってしまうことがあります。

 

下の写真は、比較的柔らかい耳垢の方です。

このような耳垢の方はご自宅で行うような綿棒や耳かきでは採りづらく採っているつもりでもどんどん押し込んでしまい、鼓膜周囲に黒っぽい塊となりへばりついていることがあります。

 

 

 

もう一つの写真は、私も珍しくて驚いた耳垢です。

きれいに外耳道の形に沿ってとれました。一般的な外耳道の長さは約3.0cmで、緩やかにカーブしていることが多いのですが、こちらの耳垢はまさに緩やかなカーブを描き、長さは約2cmでほぼ外耳道を埋め尽くしていました。

 

 

 

異物(昆虫、ビーズ、髪の毛など)

お子様で耳に異物を入れてしまうことがあります。よくあるのが、ビーズです。

以前は耳や鼻に詰めるビーズといえば、モデルガンの弾である「BB弾」が主流でしたが、時代の流れか最近ではみかけなくなり、今はアクアビーズやアクセサリー作り用のビーズを入れる子が多いです。

サバゲーアーカイブHPから引用

 

 

 

他にも小さなシールや紙くず、小さなブロック、小石などが入っていることがあります。

 

また大人でも異物が入ることがあります。よくあるのは「髪の毛」です。

「耳の周りを押すとガサガサ音がする」という訴えで受診され、耳を見てみると髪の毛が耳の中に入り、鼓膜をつついていることがあります。ほんの一本の小さな毛でも、違和感が強いようで、取るとみなさん安堵の表情で「あっ、音がしなくなりました!」と言って帰られます。

時々あるのが、綿棒の先が折れてしまうケースです。綿のみ残っていることもあります。鼓膜の直上に落ちていて、ご自宅でとるのは難しいことが多いです。無理に取ろうとして周囲を傷つけてしまうこともあるので、そういった際はご自宅ではとらずに耳鼻科に来てください。

他にもインカムの部品やピアスのキャッチなどが入ってしまうこともあります。

 

昆虫 【閲覧注意】虫の画像が出ます!

ときには耳の中に昆虫が入ってしまうことがあります。

「昆虫(特にゴキブリ)が耳に入ると、急に発狂したように暴れまわる」と耳鼻科医になりたての頃に教わりぞっとしました。

私の子供が赤ちゃんの頃、夜中急に大泣きした際には「もしかして耳にゴキブリでも入ったのではないか」と疑ったりしました。(滅多に昆虫が入ることはないのですが・・・)

 

以下は最近経験した昆虫の外耳道異物です。

 

・1例目は、膿性耳漏がでており来院されました。耳漏を吸引すると耳垢ではないどんぐりの殻のような茶色の光沢のある硬いものがとれ、数日点耳薬をつけて再来された際に昆虫と発覚して除去したものです。

耳でも鼻でも異物を放置すると、細菌感染して膿性の耳漏や鼻水が出ることがあります。

この方は赤ちゃんで虫が入ったというエピソードはわからず、外耳炎になって初めて受診しました。

正確な種類はわかりかねますが甲虫類の一種かと思います。ゴミムシダマシあたりでしょうか?

 

・2例目は、虫が入ったと申告のあった方です。

顕微鏡で耳を観察すると、足の部分の毛が拡大されて見えました。ゴキブリのような昆虫が入っており鉗子で除去しました。

耳にゴキブリが入った場合、ゴキブリは前にしか進めないので鼓膜で行き止まりとなり、鼓膜周囲で暴れて、激しい痛みと雑音に襲われます。そのため、前述したように「急に発狂したようになる」のです。

この方は、対処法をご存じだったようでご自身で油を耳に入れて、虫を殺した状態で来院されました。

 

 

 

・3例目は、蛾(ガ)です。

外耳道に羽が折りたたまれてはいっており、取り出して広げてみると大きくて驚きました。

こちらも顕微鏡で耳を覗いた際に、細かいふさふさの毛がたくさん生えているのが見えたのが印象的でした。

この方は前日の夜に耳に入り夜中に時々耳の中でバサバサ音がして翌朝来院されました。診察時はすでに動かなくなっていました。

 

 

応急処置の方法

耳に生きた虫が入った場合、虫が動き続けて外耳道や鼓膜を傷つけるのを防ぐために虫の動きを止める必要があります。

横になって耳の穴が上を向くような姿勢にして耳の穴にオリーブ油、ベビーオイル、食用油など普段の生活で使用しているオイル入れてください。虫を窒息させて動きを止めます。

スポイトのようなものがあればベストですが、なければ小さいスプーンで少量ずつ入れてください。耳の穴は鼓膜がありますので耳の穴ぎりぎりまで入れて大丈夫です。

冷たい液体を耳の穴に入れるとめまいが起こることがありますので、その意味でも横になった姿勢で行ってください。

やってはいけないこととして、綿棒やピンセットで無理に取り出そうとすることです。生きている状態では抵抗されて耳が傷つくことになりますし、動かなくなっていても耳の処置に慣れていない人が行うと傷をつけることになります。また光を当てると逆に暗い奥の方に進もうとする虫もいるので注意が必要です。

オイルを入れて動かなくなった後は、早めに耳鼻科での診察を受けてください。顕微鏡と専用の器具を使って異物を取り除きます。

 

以上、最近経験した外耳道異物でした。

耳や鼻に異物が入ったら自己判断せず耳鼻科を受診してください。

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