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子供の発熱は【耳鼻科】と【小児科】のどちらにかかれば良いの?

[2021.07.05]
子供の発熱は【耳鼻科】と【小児科】のどちらにかかれば良いか迷うことはありませんか?

子供が風邪をひいた時、熱を出した時、【耳鼻科】にかかるか【小児科】にかかるか迷うことはありませんか?
どちらの科を受診するか明確な決まりはありませんし、それぞれの先生によっても方針が違うので難しいところだと思います。
ママやパパの今までの経験やその病院やクリニックに慣れているからなどの理由で決めている方も多いのではないでしょうか?

一般的に子供の免疫機能は大人に比べて十分発達しておらず、様々な感染症に罹患しやすいです。また保育園や幼稚園で集団生活を送っていると感染症が流行しやすい傾向があり、特に3歳くらいまでは医療機関を受診する機会が多いと思います。
そこで耳鼻咽喉科専門医の立場から、受診のポイントについて述べてみようと思います。

 

小児科の特徴

小児科は子供の全身を診ることができます。
子供が熱を出す場合、鼻水や咳を伴ういわゆる風邪の症状が圧倒的に多いですが、中には全身疾患が隠れていることがあるので注意が必要です。
また、ワクチン接種のスケジュールや発達の相談なども一般的に行われています。

 

【熱+全身の発疹】

見た目で診断する疾患はその疾患をたくさん診たことがある先生の方が、診断がつきやすいと思います。
特に、ヘルパンギーナや手足口病などは口の中に所見があるので耳鼻科でも比較的診断がつきやすいものですが、「熱+全身の発疹」は小児科または皮膚科の先生の方が、ご経験が豊富だと思います。

 

【熱のみ】【熱+下痢】【熱+嘔吐】

子供の熱では、いわゆる「鼻風邪」つまり鼻水、咳を併発することがとても多いですが、そのような症状がなく「熱のみ」「熱+下痢」「熱+嘔吐」を認める場合は小児科受診をお薦めします。
熱が5日以上持続する場合は、小児特有の病気である川崎病を疑う必要があります。
下痢や嘔吐を伴う場合は急性胃腸炎のこともありますが、まれに髄膜炎を来していることがあります。

 

【生後3か月未満の熱】

生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんからの免疫が残っているので、熱を出すことはほとんどありません。生後3か月未満で熱を出す場合は入院して検査が必要になることもあるので小児科受診をお薦めします。

 

【受診のポイント】

迅速検査キットが揃っているか?

アデノウイルス、RSウイルス(1歳以上は保険適応外)、溶連菌、インフルエンザなどは鼻水や咽頭拭い液を採取しその場で診断をつけるキットが実用化されています。
小児科、耳鼻科問わず検査キットがあるかも重要です。(当院には常備してあります。)

 

耳鼻科の特徴

耳鼻科(耳鼻咽喉科)は主に首から上の疾患を担当する科です。年齢に限りはありませんが、クリニックによっては制限を設けているところもあるので、0歳児の受診は事前に確認された方が良いかもしれません。(当院では年齢制限はありません。)

 

【診察するための機械や器具が揃っている】

子供は耳の穴や鼻の穴が狭いので、診察時には耳鏡や鼻鏡を使用します。また、観察しづらい場合は、顕微鏡や場合によっては内視鏡を使用し、より良い条件で正確な所見をとることが出来ます。
 

急性中耳炎の鼓膜写真(内視鏡)

 

【処置ができる】

耳垢が溜まっていると鼓膜が見えません。耳鼻科ではそういったときにすぐに耳垢を取り鼓膜を観察することができます。耳鼻科の診察ユニットには吸引器がついているため、細かい耳垢や奥にある耳垢は細い専用器具を使用して吸いとることができます。

鼻水が溜まっている際も、診察室に鼻水の吸引機があるため吸引することができます。吸引することで症状を楽にし、鼻水の色や量、性状(サラサラかネバネバか)観察することで処方する薬の参考にもなります。

重症の中耳炎の際には、鼓膜切開を行うことができます。

 

【親子受診が可能】

子供の風邪が保護者に移った場合、年齢制限がないので同時受診が可能です。
同時に診察することで、診断や必要な薬を考える際に参考にもなります。

 

耳鼻科受診をお勧めする例

1, 熱が出て小児科を受診したが、耳垢で鼓膜まで診ることができなかった。機嫌も悪い。
→耳鼻科で中耳炎になっていないかチェックしましょう。特に入浴後や寝る前に大泣きする場合は耳が痛い可能性があります。

 

2,RS感染症などに罹患し、一旦熱や鼻水治まっていたが、再度高熱が出始めた。
→ひどい鼻風邪の後に再度熱が出始めた場合は、急性中耳炎や副鼻腔炎などの細菌感染を来たしている可能性があるので耳鼻科受診をお勧めします。

 

3,いつも鼻水が出ている。
→ただの鼻風邪ではなくアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の可能性があります。鼻水の性状や鼻の粘膜の様子、アレルギー検査鼻汁好酸球検査、培養検査などを行える耳鼻科受診をお勧めします。

 

4,いつも鼻が詰まっている。
→鼻炎のこともありますが、小学生以下のお子さんの場合はアデノイド肥大の可能性もあります。内視鏡で観察が可能です。

 

どちらを受診するか迷う場合でも、当院を受診して頂いて大丈夫です。
診察後に他科の受診が必要な場合は、こちらからお伝えします。

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